
「あふれる植物 afraid of plants」
「怖い」という感情は、経験や知識を積み重ねていくうちに生まれてくるものなのだと思います。
小さな頃は純粋に面白いと思っていたことが、「怖い」という感情に塗り替えられてしまうのです。
怖さに懐かしさや苛立ちを感じるのは、子供の頃の記憶が関係しているからなのでしょうか。
卒業制作は、その「怖い」という感情を植物を通して丁寧になぞっていくような作業でした。
足を拡げること。小学生の頃は開脚ができていたのに、大学一年生の頃にはすっかり身体が硬くなっていたのです。 身体が柔軟になれば発想も柔軟になると信じて、課題が終わらなくても開脚ストレッチを続けました。
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「本の装丁」
安部公房の短編小説集『壁』の本の装丁。本を読んでいるうちに心に浮かんだ景色をそのままビジュアル化するように努めました。本を立体作品として捉え、正面からだけでなく横や斜めから見たときのデザインも意識して制作しました。

「これは本ではない」
概念表現が課題の1年次の作品です。世界の様々な現代美術の表現コンセプトを学んだ後、「本」を題材に、本の概念をどのように変容させられるか?という制作に取り組みました。私の作品は、1ページずつ1文節や1単語を残し切り抜かれています。雑雑と目に飛び込んでくる文章の破片を現代の世の中に溢れる情報と結びつけています。